2009年12月16日
「幻影シネマ館」、見事というほかない。

図書館で借りてきた本。佐々木譲著の「幻影シネマ館」だ。幻の映画、日本では見られない(見られていない)映画、つまり未公開作品についてのコラムである。ちょっとワクワクしながら読んだんだけど・・・なあ。
たとえば「青春群像映画の系譜」というところでは、今や大御所となったスターたちが、若い売り出し中のころに出ていた映画。本の中ではケビン・コスナー主演の「サマー・デイズ」が紹介されている。タイトルはいかにも、でしょ。海のものとも山のものともしらない若手を大量に集め、気がつけば、10年後にはみんな大スターになっていたという映画は、何本かあるが、だいたいが低予算で作られ、ヒットなんか期待されていないので、今見ればお宝ものの映像である。
さて、この「サマー・デイズ」。まず出演者から。ミッキー・ローク、デニス・クエイド、ミシェル・ファイファー、ウィリアム・ハート、あれっく・ボールドウィン、マーク・ハーモン、アンディ・マクダウェルである。そうそうたるメンバーである。一同に彼らの若いころが見られるなんてもう、サイコーである。ウィリアムとアレック、共演していたのね。ウィリアムのファンである私は見てない映画でも、チェックはしていたつもりなのに、この映画は見落としたか・・・。
ま、そんな具合に、この本は、著者が外国で見た日本未公開作品について、出演者たちも紹介している。この映画以外にも読みながら、何本か興味を持ち、もうDVDになるかもしれない、探してみよう!と思った。
で、あとがきである。私は「純粋」で人を疑うということを知らない。著者はこう書いてあった。
「すでに本文を読んでしまった読者は、おわかりのとおり、これは存在しない映画の紹介と批評なのだ」。
佐々木氏の映画ファンだましである。小説家はうそつきの始まり、といいますね。映画、俳優につして知っていなければ書けない本だ。見事。もっと映画を勉強したいと思った。
Posted by ダイアン・M at 11:43│Comments(0)
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