2010年06月21日
ユアンはジダンに似ている

桜坂劇場で「ウッディ・アレンの夢と犯罪」を見てきた(6月18日)。ニューヨーカーのウッディだが、ここ最近は舞台をヨーロッパに移しているらしい。この作品は、「マッチポイント」「タロットカード殺人事件」に続くロンドン3部作の最終章。いつも彼の作品には、若く美しいミューズがいるのだが(前2作は、スカーレット・ヨンハンソン)、今回は、イギリスの若手、いやもう中堅だな、ユアン・マクレガーとコリン・ファレルが、ほんの一瞬、「豊かさ」に目がくらんだだけで、取り返しのつかないことになっていく兄弟を演じている。
彼らは普通の世界のどこの街にもいる仲のよい兄弟だ。兄ちゃんは親の経営するレストランの手伝いでは飽き足らず、ホテル投資をして金持ちになりたいと夢見ている。弟は自動車修理工だが、賭けごとが好きで、大きくもうけたり、損をしたり、しかし、そろそろそういう生活をやめて落ち着きたいと考えている。彼らの両親は、これまたどこにでもいる親だ。とにかく子供たちは、平穏に暮らしてもらいたい。大きなことに挑戦するよりも、今の生活を守っていければ幸せだ、そう信じている親たちだ。
この兄弟のあこがれが、海外で仕事をする叔父さん。このあこがれの人に、ある人間を消してもらいたい(殺人)と頼まれたことから、2人の苦悩が始まる。
原題は2人が手に入れたヨット「Cassandra’s Dream(カサンドラの夢)」。ヨットを漕いで海に出る2人。地中海ではないが、その青さ、そして、犯罪がからむところは、「太陽がいっぱい」を思わせる。
バクチ好きであっけらかんとしているかと思った弟が、心の病気になる寸前。現実的な兄は、叔父を組んで、弟の「処理」を考える。
人間が、究極の立場に立たされたときは、たとえ血がつながっていようとも、どういう風になるのか。最後、一瞬、望みが見えたが・・・。
兄を演じるユアンは、W杯開幕中だからじゃないけど、フランスのフットボーラー、ダンに似ていると思った。

にほんブログ村ランキング参加しています。ボチっとお願いします。

Posted by ダイアン・M at 10:01│Comments(0)
│感想